• 【妊婦さんへの新型コロナウイルスワクチン接種について】
  • 現時点で、妊婦さんへの新型コロナウイルスワクチン接種の有効性・安全性に関しては十分な臨床データはありません。しかし、感染リスクと感染した場合の重症化リスクを考慮すると、妊婦さんも積極的に接種をすべきという考え方が世界的にも主流になってきています。
  • 当院としては日本産婦人科感染症学会・日本産科婦人科学会の提言に従い、週数問わず妊婦さんへの接種を推奨します。（当初は器官形成期である妊娠12週までは接種を避けるよう提唱されていましたが、諸外国で流産率や催奇形性の増加がみられていないことから、妊娠週数による制限は撤廃されました。）
  • 現時点での知見からワクチン接種のメリットデメリットを考慮し、ワクチンを接種するかを各自判断してください。疑問点があれば担当医にご質問ください。
  • ＜学会からの提言＞
  • ワクチンは、現時点で妊婦に対して短期的安全性を⽰す情報が出つつあるが、中・⻑期的な副反応や胎児および出⽣児への安全性に関しては今後の情報収集が必要である。現時点では世界的に接種のメリットがリスクを上回ると考えられる。
  • 流⾏拡⼤の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはしない。器官形成期（妊娠 12 週まで）は、偶発的な胎児異常の発⽣との識別に関する混乱を招く恐れがあるため、ワクチン接種を避ける。
  • 感染リスクが⾼い医療従事者、介護従事者、重症化リスクのある基礎疾患を合併している⽅は、積極的にワクチン接種を考慮する。
  • 妊婦のパートナーは、家庭での感染を防ぐために、ワクチン接種を考慮する。
  • 妊娠を希望される⼥性は可能なら妊娠する前に接種を受けるようにする。（⽣ワクチンではないので、接種後⻑期の避妊は必要ない。）
  • 多くの接種経験のある海外の妊婦に対するワクチン接種に関する情報では、妊娠初期を含め妊婦さんとおなかの赤ちゃん双方を守るとされています。また、お母さんや赤ちゃんに何らかの重篤な合併症が発生したとする報告もありません。したがって日本においても、希望する妊婦さんはワクチンを接種することができます。
  • 【授乳中の褥婦さんへの新型コロナウイルスワクチン接種について】
  • 現時点で、授乳中の女性への新型コロナウイルスワクチンの安全性に関するデータはありませんが、特段のリスクが懸念されているわけではなく、ワクチン接種は問題ないと考えられます。また、ワクチンを接種した際に、授乳を中止する必要はないと考えられます。

 

  • ＊以下のＨＰにも情報がありますので、参考になさってください。
  • 日本産科婦人科学会―新型コロナウイルス（メッセンジャーRNA）ワクチンについて（第 2 報）―
  • http://www.jsog.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=1